「旨さの秘密」

塩の話

うどんには塩が重要な役目を果たしています

塩はたんぱく質をほぐす酵素の働きを弱めて発酵を押さえ(夏と冬では温度が違うため塩の量で発酵速度をコントロールする)、グルテンを引き締め腐敗や生地がだれるのを防ぎます。
うどんを作るとき標準的に小麦粉1kgに対し水を460cc、塩40g塩を入れおよそ1.5kgになります。茹でると水分を含んで膨張しますので2.25kgほどになります、計算上225gの茹でうどんには約4gの塩が入っていることになります。
こんなに沢山の塩分を摂ると大変なことになりますが、うどんを茹でると塩は90%以上溶け出してしまうのでご安心して下さい。パンは塩が多いと膨らまないので、うどんに比べると塩の量が少く、塩分はそのまま残りますが大きな問題にはなりません。
「土三、寒六、常5杯」は塩加減に関する有名なさぬきうどんの口伝です。これは重さでなく升を使って量で加減を決める方法でした。
しかし同じ塩と言っても昔の塩と現在のいわゆる食塩とは比重がまったく違うものでした。
現在の食塩は1kgに対してその量は0.8Lくらいです。
昔は重さで1kgの塩は1.2Lの量があり、同じ重さで今より1.5倍もカサがあったようです。
何故なのでしょうか、ひとつは水分の含有が違ったのではないか思います、もうひとつは自然の海水から製造した昔の天然塩は「にがり」などミネラルの含有が多かったのではないでしょうか。

天然塩は旨い、塩の原料である海塩と岩塩の違い

海水は塩類が3.5%(塩化ナトリウム・マグネシュウム・カリュウム・カルシュウムなど)、その海塩の塩化ナトリウムを除いた物が「にがり」と呼ばれ塩辛さだけでなく、苦味・渋みなどを感じさせてくれる味覚には重要な成分です。
一方岩塩は、元々は海水が干上がり水分が蒸発した海塩なのですが、長い時間の中で水溶性の「にがり」が溶け出してしましほとんど残っていません。
ですから天然塩が旨いとされ、料理人やうどん作りに使われるのです。

※市販されている岩塩を原料としている食塩は、加工の過程で「にがり」成分などを加えているものもあります。
昔から雨の少ない瀬戸内地方では塩の生産が盛んで昭和40年頃までは塩田の風景が広がっていました、この良質で豊富な塩がさぬきうどんを生み出したとも言えます。
「玉藻よし」は讃岐の国の枕詞ですが、この玉藻とはホンダワラの事で、古代の人はホンダワラを焼いて藻塩を作っていました。古代から讃岐では製塩が盛んであった事が偲ばれます。

※玉藻よし 讃岐の国は 国からか 見れども飽かぬ 神からか ここだ貴き 天地 日月とともに 満(た)り行かむ 神の御面と継ぎ来たる 那珂の港ゆ船浮けて 我が榜(こ)ぎ来れば 時つ風 雲居に吹くに 沖見れば とゐ波立ち辺 見れば白波騒ぐ(万葉集 柿本人麻呂)

↑ページトップへ