「旨さの秘密」

機会打ち

機械打ち製法は明治十六年、手延べそうめんの大量需要に応えようと七年の歳月を費やし佐賀県人の真崎照郷氏により考案されました。
混合機で小麦粉と塩水を混合し、生地を機械ロールで圧延して麺帯に仕上げる。最後に切り刃の位置で一定巾の麺線がつくられる。出来上った麺線は、手打ちのものと比べてほとんど同じであるようにみえる。

無理な力を加えず、いい加減が大事です

手打ちうどんは、小麦粉に塩水を加えて良くかきまぜ、団子にしてから足踏みする。次に玉を作り、さらに足踏みして、平にして寝かし(熟成)を行う。麺棒で延ばし麺帯を包丁で切り、麺線にする、見た目には機械打ちとなんら変わることはありません。
しかし手作業のため生地に無理な力が加わりません。練り加減、足踏み加減もその時の天気や配合状況に応じてこころ配りをします。
人の体重で生地を足踏みするくらいが、丁度こころよい粘りとこしをつくることができるのです。その上に、体から伝わってくる体温や、ねかしのときの温度と時間で「こし」や粘りが増してきます。また、酵素の働きで麺の香りが強まり適度に熟成されながら、製麺されるのです

うどんは生き物である、生地と肌が会話をします

機械では、人間の体や肌がかもし出す感触を現わすことができません。機械打の圧延の場合、どうしても無理な力が加わるために生地が固くなります。そのため麺をゆでるのに時間が長くかかり、ソフトで弾力のあるうどんができないのです。
外見はともかく、ゆで時間が短く、ソフトで弾力のあるうどんに仕上るうどんは、「こし」や「粘り」からくる口あたり、歯ざわり、のどごし、さらに香味といったすべての点に手打ちと機械打ちの違いが現われてくることになります。
うどんは生きものです、作る人の心がうどんの生地に伝わり、生地の性質が人の肌に伝わります。うどんと人の心が一体となっておいしいうどんが出来上るのです。
さぬきの手打ちうどんがおいしいとよくいわれるのは、人の心で丹精こめてうどんを打っているからだと思います。
私の究極の願いは手打ちうどんと同じうどんを機械打ちで完成させることです、でも手打ちうどんの神秘性に機械打ちうどんが到達することはあり得ないのではないでしょうか。
さぬきうどんは、私達の遠く祖先から技術を受け継ぎ、磨いてきた伝統と誇りある郷土料理です。いつの世までも大切にして、子孫に継承していきたいと思っています。

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